納棺式では、髪を整え、薄化粧をして、棺に遺族の手で遺体を納め、旅支度の品であったり、思い出の品、写真などを収めます。納棺式では棺を囲み、数時間ゆっくり過ごすことになり、ここで気持ちを落ち着かせることになります。
葬儀において、遺族関係者の間でトラブルになる内容もあるようです。看取りまでの期間で起こった家族の中の様々な生き違いによるトラブルには、誰が介護をしただの、誰が介護そっちのけだったの、そうした争いもあるようですが、この納棺式があるからこそ、誤解も溶けていくといいます。
そうする時間をつくることで、通夜の日には家族が一致団結するといいます。美しい祭壇がつくられ、供花の札を確認、集まる親族や友人らと過ごして通夜、家族葬が開始されていきます。式場では通夜ぶるまいの席を用意していますが、家族葬となるなら、式場内からいったん家族を控室に移動させ、20分程度の短時間でテーブルセッティングをするといいます。
料理の配膳も手際よくできるのは、経験が豊富な式場とスタッフの連携によるところです。華やかな式ではないが、故人とのひとときを十分つくるだけで、悲しいのに、思い出を語る遺族らの顔には笑顔が浮かぶといいます。